営業戦略の視点で読み解く 2026年度診療報酬改定

医療業界の情報を、営業戦略に翻訳する

EXE MEDICALは、医療業界の情報を整理し、それを企業の営業戦略を考えるための材料として提供しています。言い換えると、医療業界の情報を、企業の営業戦略に翻訳する仕事をしています。

そのため、診療報酬改定についても、制度そのものを解説するというよりは、「この改定によって医療業界のどこに変化が起きるのか」「どの分野に需要が生まれるのか」という視点で内容を見ています。

今回の診療報酬改定の内容を整理していく中でも、いくつかの分野では、関連する企業にとって追い風となりそうな動きが見えてきます。そこで本記事では、医療機関向けの制度解説ではなく、医療機関に営業を行う企業の視点から、今回の改定をどのように読み解くことができるのかを整理してみたいと思います。

制度が変わると、市場が動く

診療報酬改定や制度改正によって、医療業界の動きが大きく変わった場面は、これまでにも何度かありました。時間軸で振り返ってみると、例えば次のような出来事があります。

こうした制度や政策が進められたとき、医療機関の動きが一斉に変わり、それに伴って関連する製品やサービスの需要も一気に高まっていきました。

このときに起きていたのは、単なる制度対応というよりも、医療業界の中に新しい業務や設備、仕組みが一斉に必要とされるようになった、という変化だったと言えるかもしれません。

そして、その変化を早い段階で読み取り、準備を進めていた企業ほど、その後の市場の動きに対応しやすかった、という見方もできるのではないでしょうか。

診療報酬改定は立場によって見方が違う

ここで少し、診療報酬改定の見方を整理してみたいと思います。同じ診療報酬改定でも、立場によって見ているものは少しずつ違います。国は、医療費全体のバランスを見ながら、どの分野を強化するのか、どこに人や設備を増やしていくのかといった、政策や予算の配分という視点で改定を行っています。

医療機関は、新しい点数や算定要件を確認し、自院で算定できるかどうか、どのような体制を整える必要があるかという視点で改定を見ます。一方で、医療業界に関わる企業が見るべきなのは、その先にある需要の変化です。

診療報酬改定は、医療機関にとっては点数表ですが、企業にとっては市場の変化を示している資料とも言えるかもしれません。どの分野に新しい要件が増えるのか、どの業務が新たに評価されるのか、どの体制整備が求められるのか。そこを見ていくと、「これから医療機関が整備しなければならないもの」や「新たに必要とされるサービス」が見えてきます。

つまり、診療報酬改定は制度の変更であると同時に、医療業界のこれからの方向性を示している、とも考えることができます。そして企業にとって重要なのは、その方向性を読み取ったうえで、自社の製品やサービスがどの領域で役に立てるのか、どの医療機関に対して提案していくべきなのかを考えることなのではないでしょうか。

しかし、それを営業戦略に落とし込むのは簡単ではない

もっとも、診療報酬改定の内容を読んで方向性が見えたとしても、それを実際の営業戦略に落とし込むのは簡単ではありません。

どの分野に追い風が吹いているのかは何となく分かっても、では実際にどの医療機関に営業すればよいのか、病院なのか診療所なのか、それとも薬局なのか、どこから動けばよいのか分からない、という話はよく聞きます。

また、医療機関といっても規模や機能によって状況は大きく異なります。すべての医療機関が同じ方向に動くわけではありません。制度の内容と医療機関の機能や体制を合わせて見ていかないと、本当に動く医療機関がどこなのかは見えてきません。

さらに、営業先を考えるうえでは、医療機関の情報を整理することも欠かせません。どの地域に、どの機能の医療機関がどれくらいあるのか。どの医療機関がどのような体制を持っているのか。そうした情報を整理したうえで、はじめて営業の優先順位を決めることができます。

診療報酬改定の資料を読むこと自体も大変ですが、それ以上に難しいのは、その情報を営業先の選定や営業の順番にまで落とし込むことなのかもしれません。

今回の改定で見える一つの方向性「医療DX」

例えば今回の診療報酬改定で見ていくと、「DX(デジタル化)」に関する内容は、引き続き重要なテーマになっているように見えます。医療機関の業務効率化や情報連携、データ提出など、ITの活用を前提とした仕組みづくりが、制度としても後押しされている、という流れを読み取ることができます。

この流れを医療機関の制度対応として見ることもできますが、企業の立場から見ると、システム、ネットワーク、セキュリティ、データ管理、業務効率化ツールなど、さまざまな分野で需要が生まれる可能性があるとも言えます。もちろん、すべての医療機関が一斉に同じ動きをするわけではありません。

どの医療機関が、どのタイミングで、どの分野に取り組もうとしているのか。そこを見極めることが、営業戦略を考えるうえで一つのポイントになってきます。

次回予告

今回は、2026年度診療報酬改定を「営業戦略」という視点で見たときに、どのような方向性が見えてくるのかを、全体の流れから整理しました。

しかし実際の営業活動では、「制度がこう変わるらしい」で終わるのではなく、「だから、どの医療機関に、何を提案するのか」まで考える必要があります。

次回は、診療報酬改定の内容を、実際の営業戦略やターゲット選定にどのように落とし込んでいくのか、もう少し具体的な例をもとに整理してみたいと思います。

営業戦略に落とし込むための情報整理とターゲット設計

EXE MEDICALは、こうした医療業界の情報を整理し、企業が営業戦略を考えるための材料として提供しています。

診療報酬改定のような制度の情報、公開されている医療機関の情報、施設基準や体制に関する情報などを整理し、「どの医療機関がどのような状況にあるのか」「どの分野に取り組もうとしている医療機関なのか」を見える形にしていきます。

営業戦略を考える際には、方向性だけでなく、「どの医療機関に営業するのか」「どの順番でアプローチするのか」「どのような切り口で提案するのか」といった具体的な設計が必要になります。私たちは、医療業界の情報を整理し、ターゲットの整理、営業方針の設計、アプローチ方法の検討までを含めて、企業の営業戦略に落とし込むための支援を行っています。

ここまでお読みいただいた方へ

ここまで、診療報酬改定を「営業戦略」という視点で見てきました。制度が変わると、医療機関の動きが変わり、それに伴って市場も動いていきます。そして重要なのは、その変化が起きたときに、どの医療機関に対して、どの順番で営業していくのかという営業戦略です。

しかし実際には、どの医療機関が対象になるのか分からない、病院と診療所、どちらを優先すべきか分からない、どの規模の医療機関から動くべきか分からない、営業リストはあるが優先順位の付け方が分からない、といったご相談をいただくことは少なくありません。

そこでEXE MEDICALでは、これから病院営業に取り組む方や、営業の進め方を見直したい方に向けて、これまでの経験をもとに営業の考え方をまとめた資料をご用意しています。

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