病院・クリニック向け商品・開発企業必見!3つの市場調査とは

医療業界の商品開発では、市場の基礎理解だけでなく、理事長・院長や医療従事者のニーズ理解、そして、商品購入プロセスの行動理解が必要と言われます。

それは、病院や医療従事者への丁寧な市場調査やアンケート調査などのリサーチ活動によって、リリース後のマーケティング活動がとてもスムーズに進めることができるからです。

しかし、多くの企業では一部のニーズ理解だけでニーズがあると判断し商品開発を進めて、そのまま販売していることも散見されます。

そこで本記事では、病院やクリニック向けの商品開発の際、どのように市場調査を行えばよいのか、解説します。 医療業界向けに商品開発をする予定のプロダクトマネージャーの方に、ぜひ参考にして頂ければと思います。

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商品企画・開発で必要な3つの市場調査

医療業界で商品開発をする際は、市場の基礎理解だけでなく、病院経営者である理事長・院長や医療従事者のニーズ理解、そして、商品購入プロセスの行動理解が必要です。

医療従事者のニーズ理解

(1)医療市場の基礎理解・市場の発見

まず、一番大きな範囲をざっと理解し、把握するための市場基礎調査です。

病院や医師、医療従事者などの細かなニーズというよりも、業界としてどのような傾向にあるかをざっくりと掴むための調査です。

よく使われるのは、ネットリサーチ会社が提供するWEBアンケートサービスです。あらかじめ登録された回答者集団(パネル)に対して、回答を求めるものです。これは匿名で回答してもらうことがほとんどで、市場全体の傾向を掴むのに向いています。

手軽で便利な一方、深堀するような調査には向いていません。結果が数値で表されるため、客観的に結果を捉えることができて解釈しやすく、仮説を立てやすくなります。

<市場調査の例>

・市場規模

・消費者のニーズ

・競合状況

・自社の強み/弱み

・使用実態把握調査

・ブランドイメージ調査 ・購買行動調査  など

(2)ユーザーニーズ調査

病院などで働く院長や医療従事者に個別にアプローチし、人単位でニーズ理解をするための市場調査です。所属する病院の特長とそこで働くユーザーのニーズをクロス分析することで、優先的にアプローチすべきセグメント・ターゲットを把握するのに役立ちます。

仮説に基づいて調査対象をグループ分けし、使用目的の実態まで把握することで、誰にどんな価値を提供するのか仮説の精度を上げることができます。

(3)ユーザー購買行動調査

商品購入プロセスは病院毎に微妙に異なります。購買プロセスを正確に理解することで、どういったタイミングでどのような声掛けをすれば、自社の提案が検討の流れに乗っていくのかを把握することが大切です。

また、それぞれの病院において、どのような人がステークホルダーとなりうるのかについて、病院の購買フローの実態を把握することで商談コントロールがしやすくなるでしょう。

競合他社のシェアや評判なども確認することができますので、後発企業にとっても有効です。

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病院・クリニックへの市場調査方法

例えば、既存製品の使用実態調査を実施する場合、既存商品について、誰が、いつ、どこで、どのように、どのくらい、どのような理由で購入しているのかといった細かな行動様式を確認する項目を設定します。

購入意向(買う理由)、非購入意向(買わない理由)、最適価格帯などが中心です。

医療機関へのニーズ調査は電話でも可能

意外に思われるかもしれませんが、医療従事者のニーズや病院・院長の方針などは、訪問しなくても電話とFAXで回答を得ることが可能です。病院へのアンケートやインタビュー調査などの実態調査、市場調査はなかなかハードルが高い、答えてくれないのではないか、と遠慮しがちですが、企業が医療従事者のための製品を開発することに対して、医療従事者、特に院長は好意的な反応を示してくれます。

企業は、製品開発をしたり販売計画を実行に移す際は、市場調査の実施により病院側のニーズを積極的に知るべきです。アンケートやインタビュー調査などの市場調査をせずに、製品開発や販売に踏み切る会社が多いのもまた事実ですが、あまり賢いやり方とは言えません。

一方で、市場調査をしてから本格的に開発に進むという会社もありますが、市場調査のやり方がわからないという声も多く耳にします。結果的に、医療従事者パネルを持つネットリサーチ会社を利用することが多いに依頼する企業が多いようですが、ネットリサーチはマスマーケティング的な市場調査であるということを理解しておきましょう。

マスマーケティングでは、病院や院長の個別ニーズには迫ることができません。株主からのプレッシャーに負けて、個別ニーズを深堀りしないうちに販売拡大フェーズに入っている医療系ベンチャーも見受けられます。市場調査によって、予想もしなかった真実を発見する場合もあるものです。

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まとめ

本記事では、医療業界向けの商品開発の際、どのように市場調査を行えばよいのかを解説しました。

・商品企画、開発では3つの市場調査が必要

 ①市場の基礎理解・市場の発見

 ②ユーザーニーズ調査

 ③ユーザー購買行動調査

・病院や医師へのニーズ調査は、電話とFAXを組み合わせて実施すると深堀りできる

・医療従事者パネルを持つリサーチ会社やネット会社だと真のニーズは掴めない

・販売拡大フェーズに入るのは、個別ニーズを深堀りしてからのほうが良い

市場調査を丁寧に行うことで、商品リリース後のマーケティングや営業活動がとてもスムーズに進みます。医療業界向けに商品開発をする予定のプロダクトマネージャーの方に、ぜひ参考にして頂ければと思います。

もし、市場調査の具体的な方法がわからない、自社のリソースだけでは市場調査を進めることが難しいと感じていたら、ぜひお気軽にご相談ください。課題をヒアリングした上で、無料でプロジェクトプランをご提案させて頂きます。

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