手間をかけずに成果を上げる、郵送DM用「病院データベース」の3条件

日本国内には約97,000件もの病院やクリニックが存在します。
全国の病院やクリニックにダイレクトメール(以下、DMといいます)を郵送する時、その準備をおろそかにすると、せっかく膨大な手間と時間をかけても成果が出ない、といったことになりかねません。
あなたが使っている郵送DM用病院データベースはどれくらい最適化されているでしょうか?

この記事では、郵送DM用の病院リストを作る際に、どのような点に注意が必要かについて解説します。
最後まで読むと、使いやすく、社内や発送委託業者への引継ぎもしやすいリストの作り方がわかりますので、ぜひ最後までお読みください。

全国の病院に訪問するのは不可能。だから、郵送DMをうまく活用しよう

営業対象が病院の医師や看護師、事務長となると、専門的な知識が必要であるのに加え、多忙ゆえに面談の機会を得るのも一苦労です。目的にもよりますが、あなたの製品を広く認知させるには、郵送ダイレクトメールが効率的です。DM郵送後のフォローコールを実施して、製品に関する興味度を確認したり、ニーズ調査につなげたり、また、商談アポイントを取ることにも活用できます。

<関連記事> 【入門編】今日からはじめる病院マーケティング・郵送DM(ダイレクトメール)【上級編】今日からはじめる病院マーケティング・郵送DM(ダイレクトメール)

1.病院リストは信用できる情報ソースからリストをつくる

第一にリストの情報ソースが信用できるかが重要です。
情報が不正確だと、郵送物が「未着」で戻ってきてしまいますし、その分、まったく無駄な経費となってしまいます。また、誤配達となれば、会社自体の信用を落とすことにもなるでしょう。

病院やクリニックの宛名や住所は、厚生労働省の出先機関である地方厚生局が公表しています。
地方厚生局のホームページからダウンロードできる「保険医療機関の指定一覧」を利用する事が最も信頼性・信用性が高いと言えます。ただし、医療機関が提出した書類に誤字があるとそのまま掲載されますので100%正確性が担保されるわけではありません。

現在公開されている東京都の「医科(病院・診療所)」のデータを見ていきましょう。(2022年9月6日時点)

<厚生局ホームページからダウンロードできるデータ> ↓のリンクはPDFですが、同じ体裁のExcelファイルもダウンロードすることができます。 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/chousa/131shitei_ika_tokyo_r0409.pdf

このPDFを見てわかる通り、こちらいわゆる「神エクセル」と言われるもの(印刷する際の体裁を優先し、データとしての扱いが犠牲になっているデータ)なのです・・・。

全国8つの地域ブロックに分かれている地方厚生局から、47都道府県のファイルを見つけてダウンロードし、そのまま一覧化できるわけでもなく、手間をかけて扱いやすいようにリスト化しなければなりません。

<関連記事> 自社内でリストを作る方は↓をご覧ください

知る人ぞ知る、病院リスト・病院データベースの入手方法病院営業用リストを探している人必見!自力で作る?業者から買う?コスパ徹底比較

こうして作られた郵送DM用病院リストの項目は以下の30項目が整理されたものになります。

①種別 ②医療機関番号 ③医療機関名称 ④都道府県 ⑤郵便番号 ⑥医療機関所在地 ⑦電話番号 ⑧勤務医(常勤総数) ⑨勤務医数(常勤医師) ⑩勤務医数(常勤歯科医師) ⑪勤務医数(常勤薬剤師) ⑫勤務医数(非常勤総数) ⑬勤務医数(非常勤医師) ⑭勤務医数(非常勤歯科医師) ⑮勤務医数(非常勤薬剤師) ⑯開設者氏名 ⑰管理者氏名 ⑱指定年月日 ⑲登録理由 ⑳指定期間始 ㉑病床数(一般) ㉒病床数(感染) ㉓病床数(結核) ㉔病床数(療養) ㉕病床数(精神) ㉖病床数(介護) ㉗病床数(その他) ㉘病床数(合計) ㉙診療科名 ㉚備考

<弊社が販売する病院リストのサンプルはこちら>

エグゼメディカルの医療機関リストはこちら

2.未着・誤配が少なくなるよう、できるだけ新しい情報を使う

未着・誤配を防ぐためにはリストの新鮮さが重要なポイントです。
病院やクリニックへのDMの場合、「公表されて1か月以内の情報」を使うことが理想です。医療機関はあなたが想像する以上に新規開業・閉業が多いものです。

仮に1年前のデータベースで郵送DMを行うと、約4,000件の未着・誤配が発生してしまうことになりますので、充分に注意しましょう。これは、年間約4,000件の閉院があるからで、その郵送コストは、単純計算で4,000件×100円/1通=40万円の損失です。

一方で、新規開業も年間約4,000件で推移していますので、その分、営業の機会損失が発生してしまう可能性が高いのです。開業・閉業の年間件数の詳細はこちらをご覧ください。

<関連記事> 病院やクリニックの開業・廃止件数はコンビニの開業・閉業よりも多い-年間8,000件の機会損失が発生するワケ-

3.ターゲットセグメントを絞り込めるリストをつくる

(1)宛名の住所分割

宛名作成や、DM発送業者のひな形に流し込み際に、手間を省くためのちょっとしたコツがありますので紹介します。
それは、宛名や住所の分割作業です。エクセル上での作業になりますが、市区町村郡・町名以下をセルに分割をしておきましょう。

厚生局のデータベースは住所が分割されていませんのでこの作業が必要になりますが、弊社が販売している病院リストではこのようなセル分割作業がしやすい状態になっています。

(2)宛名や本文に院長名を入れると開封率がグッと上がる

厚生局公表データのクリニックの項目に「管理者」というものがありますが、これは一般に「院長」を指すと言われています。
クリニックにDMを送る時は、「管理者」にある個人名を用いて、「〇〇院長」とすることで、あなたの送ったDMを院長の手に届けることができるというわけです。このひと手間で開封率や申し込みの確率が一段とアップします。

※宛名や本文に院長名を入れる重要性については↓をご覧ください

″すぐ捨てられる病院DM ″から脱却 簡単なのに効果大 ” 院長に届くDM ” のコツ

(3)開業年数を割り出す

「開業年」の項目は、見落としがちですが、ターゲットセグメントの選定をする際に、非常に強力な項目です。
というのは、開業からの経過年数によって、経営者である院長が抱える悩みや課題感が変遷していくからです。

例えば、開業3~5年目のクリニックは、開業時に投資したお金をすべて回収し終えるタイミングです。このころはちょうど、成長前期にあたり組織改革やIT化での業務効率化などに着手するクリニックが多く、重要な営業先といえるのです。このように、開業年に注目することで、お悩みに沿った提案ができるようになります。

<関連記事> 開業年別にみる医師のお悩みの詳細は↓をご覧ください

営業リストの見直しには開業年数別の悩みを意識

<開業年数を割り出す手順>

使用する項目:⑱指定年月日 (例)昭47. 3. 1 令元. 4. 1

項目の説明:開設された年月日を指し、医療機関番号が変更されても指定年月日は変わらない(一部例外有)

割り出し方法:※Excel関数を用いて説明します

手順1  =REPLACE 略された年号をExcelが認識できる年号に変える (例 昭→昭和、令元→令和1年)

手順2  =REPLACE 省略された”年”、”月”、”日”を入れる (例 昭47. 3. 1→昭和47年3月1日)

手順3  =SUBSTITUTE 一桁の”月” 、”日”を二けたにする (例 昭47. 3. 1→昭和47年03月01日)

手順4  =DATEVALUE シリアル値にする (例 昭和47年03月01日→26359)

手順5  シリアル値を”日付”形式にする (例 26359→昭和47年3月1日)

手順6  “ユーザー定義”で日付の書式を変換し、元号を西暦にする(例 昭和47年3月1日→1972年3月1日)

手順7  =TODAY() 今日の日付を割り出す

手順8  =DATEDIF “年”を抜き取る (1972年3月1日→開業年数 50年)

(4)病院と診療所に分類する

あなたが売り込みたい製品は病院向けでしょうか、それでもクリニック向けでしょうか。
もしも、クリニック院長向けの製品やサービスだった場合、病院に郵送DMを送っても無駄になってしまいます。厚生局公表データは病院とクリニックが混在していますので、分類する必要があります。弊社の病院リストでは、その分類をしやすいように作られています。

<関連記事> 医療機関の営業活動は病院と診療所を分けると断然効率的

<病院と診療所を分類する手順> 使用する項目:㉘病床数(合計) 項目の説明:㉑病床数(一般) ㉒病床数(感染) ㉓病床数(結核) ㉔病床数(療養) ㉕病床数(精神) ㉖病床数(介護) ㉗病床数(その他)の合計(情報基に無、弊社補完)分類する方法:Excelのフィルタ機能を用い、20以上→病院 19以下→診療所 に絞り込む

(5)診療科目を絞り込む

ターゲットセグメントでもう一つ重要なのが「診療科目」です。あなたの製品・サービスが特定の診療科目に適したものであれば、必ず絞り込みましょう。反応率が全く変わってきます。

<診療科目を絞り込む手順> 使用する項目:㉙診療科名 項目の説明:医療機関が標榜する診療科目一覧分類する方法:(例)内科 Excelのフィルタ機能を用い“内”(内科)を含む 絞り込む

(6)休止・廃止機関を削除する

厚生局公表データには、「休止届」や「廃止届」といった届出をしている医療機関が掲載されています。
こうした病院やクリニックは建物が存在していても、診療業務を行っていません。なんらかの理由があって、いまは休業しているけれども、またいつか業務を再開する医療機関です。郵送DMを行う際はリスト対象から削除しましょう。

<休止・廃止機関を削除する手順> 使用する項目:㉚備考 項目の説明:現存・休止・廃止を表す 「病院休止」「診療所休止」とある医療機関は現在休止している削除する方法:Excelのフィルタ機能を用い、「休止」and「廃止」を含む 絞込み行ごと削除する

まとめ

いかがだったでしょうか。郵送DM用の病院リストを作る際に、どのような点に注意が必要かについて解説してきました。以上の点に注意すれば、郵送DMでのマーケティング成果をあげることができるでしょう。あと、郵送物の内容にも工夫が必要です。郵送物の内容についてのご相談も承りますので、お気軽にお問い合わせください。

成果が出る郵送DM用「病院データベース」の3条件

1.信用できる情報ソースを選ぶ

2.できるだけ新しい情報を使うことで、未着率を下げる

3.ターゲットセグメントを絞り込めるようにリストを整える

厚生局公表の病院データは、一か月に一回更新されます。社内のリソースを割いて作り続けることは、簡単ではなく、途方もない手間と時間がかかってしまいます。厚生局の公開データ形式も急に変わる可能性もあります。
リストの入手や更新等、お困りごとが御座いましたらお気軽にご相談ください。