新型コロナ流行で大きく変化した医療機関向けビジネスの環境

コロナ禍で変わる病院、クリニックへの営業活動

新型コロナ流行で大きく変化した医療機関向けビジネスの環境

ー営業担当者が「変えてよいもの」と「変えていけないもの」ー

新型コロナウィルスが流行したことで、医療系企業の営業環境が大きく変わりました。

病院やクリニック等、医療機関では院内感染を防ぐために、業者の訪問は控えるよう徹底するところが増えました。

アポイントを取らずに医療機関に訪問し、順番待ちで医師との面談機会を獲得してきたMRや営業担当者は突如として行き場を失いました。
“『落ち着いてから』と商談が保留になったのは春で、もう冬を迎えてしまった。”
最近、このような声を頻繁に聞くようになりました。病院やクリニック等、医療機関に直接訪問する営業スタイルの営業チームの責任者は、いま、焦りを感じているのではないでしょうか。

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営業担当者が“変えてはいけないもの”とは

成果を出し続けようとするとき、“変えてよいもの(可変)”“変えてはいけないもの(不変)”があります。変えてよいものは手段であり、変えてはいけないものは目的です。

営業活動の目的は受注であり、それは、顧客に新たな問題解決をスタートさせることに他なりません。目的を達成するための手順は以下のとおりで、この手順を踏まないと営業はうまくいきませんので、これも不変です。

「コロナ禍でも変わらない営業プロセス」

・顧客に会いに行く約束を取り付ける(アポ獲得)
・顧客の生の声を聴き、分析する(ヒアリング)
・顧客さえも気づかない問題を指摘する(提案)
・顧客にその解決方法を提示する(提案)
・顧客に実行させる(受注)

営業の教科書として有名な『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著)には、顧客に良い影響を与えるための法則が多く紹介されています。
例えば、人は良くしてくれる人には良くしてあげたくなるという返報性の法則や、社会的に証明されているものを信用するという社会的証明の法則、信頼関係が深い人ほど影響力が大きくなる好意の法則などが示され、顧客への影響力を高めることが営業成績に直結することが示唆されています。

この本が示したように、営業の本質的な役割とは「顧客へ良い影響を与える」ということです。この役割はビジネス環境がどのように変化しても、つまり、コロナ禍においても、何ら変わることはありません。普遍的であり、不変です。

この一連の動作を「営業」と呼び、そのすべてのプロセスを一手に引き受け、行ってきたのが今までの営業担当者でした。そして、この一連の営業プロセスを営業側のペースで行うことができるというメリットあったため、日本では、会いに行く営業スタイルが主流となりました。

広大な国土を持つアメリカなどでは、早くからマーケティング技術が発展しましたが、国土が小さな日本の営業では、新しいマーケティング手法を取り入れるよりも、会いに行くスタイルのほうが、圧倒的に効率が良かったということもあったと思います。

変化を余儀なくされた 対医療機関営業

2020年4月、緊急事態宣言により、企業サイドも訪問営業を自粛。

病院やクリニックなど医療機関サイドも訪問営業に制限をかけたことで、会いに行く営業ができなくなりました。企業は、急遽、営業体制の転換を余儀なくされたのです。

さらに、医療学会併設展示会や東京ビッグサイトやパシフィコ横浜などの大型施設で実施されてきた大規模展示会の中止、WEB開催化に伴って、新しい顧客候補との接点が奪われてしまいました。

しかし、営業の目的は会うことではなく「影響を与えること」です。

そのためにどう行動するかを考えることが大事なことで、それが医療営業の未来を拓く力となると考えます。

「影響を与える」ための行動は、会うことだけではありません。

直接会えないならば、別の代替手段を見出して影響力を発揮すればよいのです。直接会えなくても、手紙やFAX,メールや電話、SNS、WEB面談など、コミュニケーションツールを駆使することによって、影響を与えることができます。事実、一度も会わずにWEBのみで受注する企業も出てきています。

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Withコロナ時代に対応した効率的な営業を実践するために

現代の営業活動では先に挙げた営業プロセスを「マーケティング」と「セールス・クロージング」に分類し、マーケティングを「インサイドセールス」に、セールスとクロージングを「フィールドセールス」にと、役割分担することで営業効率化を図ることが推奨されています。

それに倣って、多くの企業では「脱・訪問営業」を掲げ、手探りながら「営業のDX(デジタルエクスチェンジ)」「コンテンツマーケティング」「インサイドセールス」「DM」「オンラインセミナー」など、さまざまな仕掛けを考えるようになってきていますが、その考え方が組織に浸透し、体制が整うまでにはもう少し時間がかかりそうです。

このような状況下では、医療系企業は営業チームの体制、役割分担、提供する情報、提案内容を外部環境の変化に合わせて、柔軟に変えていく必要があります。

しかし、実際のところ、どのような営業体制を組み、どのように顧客を開拓すればよいか、全くわからない、という企業も多いのではないでしょうか。実際に、大手企業の営業責任者のお話を聞いてみると、新しいマーケティング・セールス手法についていけないという人も多くいます。

このノウハウ記事では、あなたの営業チームが、目的を見失わずに営業活動を展開できるよう、新規リードの獲得方法や受注プロセスを前に進めるための考え方をお伝えしていきます。

まとめ

・医療系企業の営業環境は大きく変わった

・営業活動の目的は受注であり、それは、顧客に新たな問題解決をスタートさせること

・営業の本質的な役割とは「顧客へ良い影響を与えること」

・直接会えなくても、手紙やFAX,メールや電話、SNS、WEB面談など、ツールを駆使することで影響を与えることができる

・医療系企業は、外部環境の変化に合わせて、営業チームの体制、役割分担、提供する情報、提案内容を柔軟に変えていく必要がある

顧客が製品サービスを購入するといった意思決定に対し、企業が影響力を及ぼすためのマーケティング・セールス手法について、「医療系企業の営業効率化」の観点から解説していくことで、あなたのチームの営業改革に少しでも役に立てたらと思います。

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