病院やクリニックの開業・廃止件数はコンビニの開業・閉業よりも多い-年間8,000件の機会損失が発生するワケ-

DM用の病院リスト更新はいつでしたか?

あなたが現在使っているDM用の病院リストやデータベース(ここでは医療機関リストと言います)はいつ更新されたものですか?
業者から購入したリストを使っている方はいつ購入したものですか?
病院に限らず郵送DMに使うリストやデータベースにも賞味期限(おいしい時期)があります。

本記事では、病院・クリニックの新規開業・閉業・移転・統合・代替わりなど、変更があった件数を把握する方法から、病院・クリニックの郵送DMに使うリストやデータベースを更新しないままでいると生じる損失に関して解説します。

ぜひ最後まで読んで、病院・クリニックの郵送DMに「おいしい時期」を逃さず、避けては通れない機会損失を最小限に減らしましょう。

1.病院・クリニックの新規・閉業などの件数を把握する

はじめに、病院・クリニックの新規開業・閉業・移転・統合・代替わりなどの変更の件数を把握する方法には、大きく分けて2通りの方法があります。
どちらも地方厚生局が公表しているデータを見るものですが、一つは保健医療機関一覧から読み取る方法。もう一つは新規・廃止一覧から読み取る方法です。(弊社が調査した件数を表にまとめていますので、件数を知る方法が要らない方は次章へ進んでください。)

方法1:地方厚生局が発表する都道府県毎の保険医療機関一覧から読み取る

毎月、厚生労働省(厚生局)が発表する都道府県毎にまとめられた「保険医療機関一覧(Excel形式)」をダウンロードし、全国(または必要な地域)一覧化し、リストから適宜絞込、件数をカウントします。
➡標榜する診療科目・クリニックの院長の名前など詳細を把握したい人向け

このリストには、医療機関の医療機関番号・名称・住所・電話番号・医師の人数・開設者の氏名・管理者の氏名・病床数・診療科目など、DMを送る為に最低限必要な情報からターゲットを絞り込むために有益な情報まで、多くの情報が詰まっています。

リスト作成方法の詳細はコチラの記事をお読みください
知る人ぞ知る、病院リスト・病院データベースの入手方法
https://exemedical.jp/post-800/
病院営業用リストを探している人必見!自力で作る?業者から買う?コスパ徹底比較
https://exemedical.jp/post-2317/

エグゼメディカルの医療機関リストはこちら

方法2:地方厚生局が発表する都道府県毎の新規指定・廃止・辞退・取消一覧から読み取る

毎月、厚生労働省(地方厚生局)が発表する都道府県毎にまとめられた「保険医療機関・保険薬局の新規指定・廃止・辞退・取消一覧」から件数を抽出します。2022年8月現在、ほとんどの地域がExcel形式でダウンロードできますが、東海北陸厚生局はPDF形式となっており、紙面を画像化してある為、データ化しにくい構造になっています。

➡方法1のように詳細が記載されていない為、件数だけ把握したい人向け 

このリストには、廃止対象の医療機関番号・医療機関名称・住所・開設者氏名・廃止年月日・廃止理由(黒塗り)・備考が載っています。備考欄に新規医療機関コードがあれば何らかの変更があり医療機関番号が変更されたことがわかります。

例:東京都 廃止一覧 令和4年7月処理分
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/chousa/132haishi_tokyo_r0408.pdf

2.新規・閉業・移転等の件数から損失を考える

つぎに、件数を出した上で、新規・閉業・移転等を反映していないリストで病院・クリニックへDMを送ることで生じるマーケティング活動における機会損失について考えていきましょう。

この機会損失には3つの種類があります。一つめは営業機会の損失で、新規開業をすべて把握することにより損失を回避できます。二つめは郵送・配送費の無駄使いで、すでに閉院している先へDMを郵送するコストと手間です。三つめは、営業機会の損失だけでなく、郵送コストと手間などすべてが無駄になるケースで、これは統合・代替わりなどの変更があった場合に生じます。

①新規開業

新規開業の医療機関件数

弊社で調べたところ2021年06月から2022年06月までの合計件数は2,303件、月平均191件ありました。

年間約2,300件はあなたの想像以上でしたか?それとも以下でしたか?
多くの人にとって想像以上だったのではないでしょうか。

特に、あなたの扱う商材がクリニックの「集患」(WEBサイト作成・SEO・広告など)や「スタッフの定着」(人材派遣・受付周りの効率化など)に関連する場合は、決して見落としてはいけません。

なぜなら、開業初期、病院・クリニックの先生方の最大の悩みは「集患」、次に「スタッフの定着」といわれており、同時に新規開業から3年5年の(開業初期)先生は新規サービスを検討する時間が比較的多く取れる期間と捉えることもできるでしょう。

※開業年数別を意識したマーケティングの詳細はコチラ
https://exemedical.jp/post-2100/

②閉業 ③移転・統合・代替わりなどの変更(届出:廃止)

閉院した医療機関件数

弊社で調べたところ、2021年06月から2022年06月までの合計件数は3,887件 月平均299件、
廃止は新規と比較して月間約100件上回り、月によっては600件を上回っていることがわかります。

あなたは、閉業(廃止)した機関はどのように判別していますか?一つの方法として、返送分を一通一通目検でリストに反映する方法もあるかと思いますが、それではあまりにも非効率かつ経済的損失も大きくなります。

病院・クリニックからの届出を受けて各厚生局が公表するのは前月分となることから今月閉業した病院・クリニックを知ることはできませんが、
1か月だけでも平均300件ある閉業を見落とすと、2か月前で600件、3か月前で900件・・・と無駄な経費が膨らんでいきます。

それを1年間放置しておくと、DM1通平均130円と考えると

130円 × 3,887件 = 505,310円

となり、看過できない金額になってきます。

まとめ

病院・クリニックは新規・閉業などが多い(注意:病院(病床数20以上)に新規・閉業は少なく、統合や法人変更などが多くあります)という印象は薄いかと思いますので、体感的に判りやすいコンビニと比較してみると、「コンビニ大手4社の出店計画によると近年は、年間約1,800件の新規出店があり、閉店は約2,000件」
とあり、病院・クリニックを合わせると「コンビニよりも新規が500件ほど多く、閉業(廃止)は1,800件も多い」ということがわかります。

病院DM用リストを更新しないまま使っていると新規営業の機会損失 + 閉業・変更の見落としで郵送費の無駄使いと大きな損失に繋がりますので、DMに使用する病院リストは毎月更新するのが良いでしょう。

最後まで読んでくださりありがとうございます。今回は病院・クリニックの新規・閉業を中心とした「件数」に関してお話ししましたが、病院への郵送DMを成功させる方法も他の記事で紹介しています。
ご興味がありましたら、あわせてお読みください。

【入門編】今日からはじめる病院マーケティング・郵送DM(ダイレクトメール)
https://exemedical.jp/post-2449/
【上級編】今日からはじめる病院マーケティング・郵送DM(ダイレクトメール)
https://exemedical.jp/post-2481/
″すぐ捨てられる病院DM ″から脱却 簡単なのに効果大 ” 院長に届くDM ” のコツ
https://exemedical.jp/post-2409/

「自社でのリスト更新が難しい」「前に購入したリストは高かった」等お困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。