活用事例:株式会社エム

貴社のサービス内容について教えてください

脳MRI画像から認知症リスク因子を数値化する健診・医療サービス

弊社は、ジョンズホプキンス大学医学部放射線学科教授の森進が2021年に創業したスタートアップ企業です。

森は、アメリカで30年間脳の画像解析等の研究をしてきました。MRI画像をもとに前頭葉や海馬といった脳の部位別情報をAIで定義づけし、各部位の体積を計算する技術を確立するなど、さまざまな研究業績を残している脳とMRI画像解析に関する研究の第一人者です。こうした研究成果の社会実装の対象として当社が取り組んでいるのが、認知症という社会課題です。

アメリカの医療機関には、病気になった人の脳MRI画像データはたくさんあるものの健康な人の脳MRI画像データがないため、MRIの画像解析技術を認知症予防に役立てることが困難でした。しかし、日本には脳ドックという特有の健診文化があるため、その際に撮影された脳MRIの画像データが蓄積されています。これらの日本のビッグデータを、森がアメリカで培った計算技術と組み合わせることにより、脳の健康評価プログラムが確立しました。患者の脳MRI画像をAIで分析し、数値化することで委縮や白質病変の度合いが判断できる健診オプションメニューとして提供を開始しています

弊社のサービスを導入するまでにどのような課題がありましたか

日本の医療事業に特化した知識を持つ人材が社内にいなかった

森のビジョンに共感した創業メンバーが集まり、日本の医療機関へのサービス提供を通じた社会実装を目指したものの、創業メンバーには日本の医療業界に特化したナレッジや経験を持つ者がいませんでした。アカデミアにおける豊富な実績や、アメリカの医療業界の研究・臨床の知見、脳およびその画像解析における技術知見などを持つ森、他分野での事業経験を有するメンバーで知恵を出し合うチームワークはありましたが、日本市場特有の原理・慣習に精通する専門家がいないというのが大きな課題でした。

ターゲットとする医療機関にどういったマーケティングが刺さるのか、営業時のお作法はどのようなものか、まず初めに優先的に提案すべき医療機関はどこかなど、本市場に特化したマーケティングや営業に関する実務経験が不足していたので、弊社サービスを導入する医療機関を開拓するのに必要な営業支援を求めていました。日本の医療業界をターゲットにしたマーケティング・営業を実行するに当たり、弊社チームに足りないピースを専門家の方に埋めて頂く体制が有効と判断したので、外部のリソースを取り入れることに抵抗はありませんでした。

エグゼメディカルに依頼しようと思った決め手を教えてください

医療業界を軸にした営業支援体制と対応のきめこまやかさが決め手だった

営業支援やテレアポ代行企業を数社比較しました。エグゼメディカルさんにお願いしようと思った決め手は、対応のきめ細やかさです。弊社の目的にフィットした提案をしてくださってリソースを全集中してもらえている印象が非常に強かったです。初回のお打ち合わせで担当の方の人となりに加えて日本の医療業界全体を熟知している知識・経験、安心感を覚えました。HPにある情報も非常に分かりやすかったです。

エグゼメディカルのサービスを利用してどう感じましたか

課題解決に向け伴走してもらえた

戦略策定会議では、日本の医療業界でのマーケティングや営業を考えるための枠組みから討議を通じて整理することができました。例えば、保険診療と自由診療の制度の違いは弊社メンバーも知識としては持っていましたが、担当の方からはそれぞれの医療現場の方が求める物事や雰囲気の違いなど、日本の医療業界の全体像を正しく具に理解するための「より踏み込んだ基礎」から丁寧に説明していただきました。おかげさまで、弊社の目的や課題を整理するのに大変役立ちました。

会議では、その時々で必要な情報を適切な粒度で提供頂けるという印象でした。課題を事前に整理できていない状態でも、会議で直接意見をぶつけてディスカッションしているうちに有益な情報を得られて方向性がまとまり「では次はこれをやろうか」と目標が定まっていくんです。社内で協議していて行き詰まった時にも、チャットツールで質問をすると、テキストベースで迅速に対応してもらえたのはありがたかったです。

日本の医療機関への営業ノウハウを持っていない弊社に寄り添っていただき、先方の反応に合わせてフレキシブルに動いてもらえました。単に架電の回数を重ねるのではなく、ライトパーソンに最初の商談を行うという明確な目的の達成に必要なリソースを注いでもらったと感じます。医療業界特有の配慮事項も少なからずあるので、医療機関の動き方を知らずに単に電話をかけるテレアポの機能軸に特化したやり方ではご迷惑をかける恐れもあると考えていたので、エグゼメディカルさんに医療という業界軸での強みを生かして動いていただいた点が非常によかったです。

コール内容など情報の引継ぎがスムーズ

電話での会話内容の報告がとても細かく的確で要点がまとめられており、仕事の丁寧さを実感しました。コールセンターの皆さん人一人一人のプロ意識が高く、情報の共有もできていて信頼感がありました。社の一員であるかのように密に連携できていたと思います。

まさに、この「情報共有の精度」こそが、一般的にはテレアポ代行の一番の弱みになりがちですが、エグゼメディカルさんは会話内容をそのニュアンスも含めて丁寧にメモに残して頂けるので、お客様のご要望などの情報が訪問する営業担当に正確に共有され、適切なコミュニケーションができるようになりました。

得られた結果

弊社の営業の型を短期間で固められた

まず、弊社のサービスをおすすめしたい医療機関に、広く弊社の存在や提供価値について知って頂く機会を作れたと思います。

テレアポ商談を獲得し、成約に至ったという直接的な成果だけでなく、営業の型を構築できたのが非常に大きいです。現在の社員だけで取り組んでいたらこうした型をつくるまでにもっと時間を要していたでしょう。この型を起点に、エグゼメディカルさんにお願いしたテレアポ以外のルートからのアプローチに対する営業の仕組みもつくれました。日本の医療業界の知識も営業経験もなかった中で、弊社ならではの営業の型ができはじめたと感じます。

今後の展望をお聞かせください

急速に成長していく会社のスピードに合わせて継続的に営業・マーケティングの機能をレベルアップさせていきたい

前述したように、エグゼメディカルさんと連携して営業の型ができてきましたが、これはあくまで「フェーズ1」だと認識しています。

今後、会社の成長段階に応じて、新たな課題が出てきます。その内容によって適切な支援を仰ぎながら社内で試行錯誤を繰り返し、成果につなげて、また次の課題に挑むという成長のサイクルを回し続ける必要があります。その核となる事業成長をドライブする強い営業・マーケティングのチームを築くためにも、課題を精度良く定義する、内製化にこだわり過ぎずに外部の力を適材適所で活用して打つべき施策を考え抜く、といった動き方を継続していきたいと考えています。

会社概要

株式会社エム

代表取締役CEO・創業者 森 進様

取締役 COO 谷口 善洋様

〒108-0073 東京都港区三田2-10-6 三田レオマビル10階
URL:https://www.corporate-m.com