コロナ禍で変わる病院、クリニックへの営業活動
新型コロナ流行で大きく変化した医療機関向けビジネスの環境
ー絶対に押さえておくべき、医療機関向けセールスの効率的なリード獲得方法ー
絶対に押さえておくべきキーワードは「リード」という言葉です。
最近は当たり前のように使われるようになったこの言葉ですが、リードの定義は人により微妙に異なっているようです。目新しいマーケティング用語をよく理解できない、使いこなせないといった人も多いのではないでしょうか。ここでは、この「リード」を「見込み客」と定義して、病院やクリニック等を対象とした医療営業担当者の「リード獲得法」について、解説していきたいと思います。
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リードとは
まずは定義が重要です。リードの定義をここでは「見込み客」としたいと思います。
見込み客の定義は、企業によっても、事業責任者によっても異なるかもしれませんが、大概は「ターゲットとする人物のうち、接触可能な人物」を指します。製品サービス導入に関与する度合いも様々です。
リードの分類
リードはその状態によってレベルを設定すると良いでしょう。
「今すぐにでも購買してくれるリード」「興味関心はあるリード」など段階があります。
自社の商品やサービスを今すぐにでも利用してくれそうな顧客を「ホットリード」、今ではないが将来利用してくれるかもしれない顧客を「コールドリード」と呼ぶこともあります。
商談報告の際に「温度感、どうだった?」と聞かれたことが誰しもあると思いますが、まさにその温度が高いのか低いのか。温度が低ければ、温めてあげる必要があります。
リードの性質
たくさんのリードを獲得するためには、たくさんの情報発信が必要です。より多くの人の目に触れることにより、より多くのリードが獲得できるからです。WEBを活用したリード獲得は紙媒体などよりも比較的効率が良いとされますが、厳密にみれば、以下のようなイメージになります。全体像として理解しておいたほうが良いと思います。
withコロナ時代で有効なリードジェネレーション
リードの獲得、すなわち、見込み客の獲得をマーケティング用語で「リードジェネレーション」と呼ばれます。
病院、クリニックを対象とした医療営業の現場でリード獲得をできるだけ効率的に行うには、どのような手段があるでしょうか。
リードの獲得方法
リードを獲得する方法には、主に次のような手法があります。
1.紙媒体
・郵送DM
・FAXDM/FAXアンケート
2.WEB
・自社WEBサイト
-資料請求フォーム(ホワイトペーパーダウンロード等)
-会員向けコンテンツ閲覧(WEB記事や動画閲覧等)
・他社WEB/プラットフォーム
-m3、メドピア等(ただし、高額)
-医療系WEBメディアへ記事提供
-YouTube等での動画配信
-Facebook等でのコンテンツ配信
3.メールマガジン
4.オンラインセミナー/オンライン展示会
・自社開催セミナー
・他社共催セミナー
・オンライン展示会
5.WEB広告出稿
6.テレアポ
リード獲得方法それぞれの特徴を簡単に説明しますので参考にしてください。
紙媒体
郵送DM
製品資料やパンフレットなどを病院やクリニック等の医療機関へ郵送し、WEBに誘導したり、FAX返信を促したりしてリードを獲得する。反応率は0.3%前後となるケースが多いが、医療機関リストをターゲットに合わせて絞り込むことにより、3%前後まで想定できる。ただし、近年、物流コストが上がっており、大規模な郵送DMはやりにくくなっている。
FAXDM/FAXアンケート
1通あたりのコストが最も安く、原稿を1枚とFAX番号リストさえ用意すれば、複数回の実施もやりやすい。
医療機関はまだまだFAXを頻繁に使っているため、到達率も高い。ただし、FAX受信拒否の連絡があった場合は、ただちにリストから除外する必要があり、丁寧に実施することが自社の評判を護るために必須となる。
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WEB
自社WEBサイト・コンテンツ(ホワイトペーパー、動画等)
自社WebサイトのSEO対策でキーワード検索による集客や、コンテンツを配信しリードを獲得する方法は、結果が出るまでに時間はかかりますが低コストで効果が見込める。動画を利用した企業マーケティングも定番化しつつある。自社WEBサイトに製品紹介や活用方法を掲載、YouTubeに投稿することでリード獲得へとつなげる。文字だけでは伝わらない情報が伝わり、より理解度を深めることが出来る。
SNS
Facebookなど、SNSサービスを通してリードを獲得する方法。
獲得したいリード属性に合わせて適切なSNSを選択することが重要。
メールマガジン
リードを獲得し、その後、育成するために最もよく使われている。
自社のハウスリストへ一斉送信をするが、リード育成の効率を考えてリードレベルごとに異なる内容のメルマガを配信すると開封率が高まる。
オンラインセミナー/オンライン展示会
Zoomなどを使ったオンラインセミナーで自社サービスに関連する講義を行い、リードを獲得する。医師など医療従事者のオンラインセミナーへの参加はコロナにより心理的ハードルが下がっており、むしろ歓迎されている。1度で多くのリードを獲得できる可能性がある。
医療学会がオンラインで実施されるようになったが、本来の目的であるセミナーや発表の場、意見交換の場として機能しており、併設のオンライン展示会に目的感を持って立ち寄る医師は多くない印象。企業が主催するオンライン展示会のほうがリード獲得に期待できる。
WEB広告出稿
有料広告を出稿することでリードを獲得する方法。WEBサイトを訪問したユーザーにリターゲティング広告を打つことも有効。WEB広告の技術はかなり進化しているため、WEB広告を検討する際は、WEB専門の広告代理店に相談すると詳しく教えてくれる。
テレアポ
電話をかけて商談アポイントを獲得し、電話商談やWEB商談、メール商談、場合によっては訪問商談を狙うリード獲得方法です。在宅ワークが増え、電話営業が主流になっているが、電話営業のアポイントを営業代行会社に依頼する企業も多い。
何からやればよいか
ざっと挙げてみましたが、それぞれにメリットとデメリットがありますので、どれから手をつけたらよいか悩んでしまうのではないでしょうか。
実は、これらの手法は全て実施してみることが大事です。しかしながら、リード獲得に使える資金は有限ですので、一度にすべての施策を実施することは不可能です。自社にとってやりやすいものから手を付けるのが良いでしょう。
もし、この中でやり方がわからない場合は専門家に相談したり、予算に余裕があるようであれば専門の会社に何度か外注してノウハウを学び、最終的には自社内のスタッフで運用できるようにすることもできます。
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一番よくないのは、考えてばかりで行動しないことです。なんでもよいので、できることからスタートしてみることをお勧めします。最初は失敗もありますが、すべてが経験になり、その失敗も成功に近づくためのプロセスである、と前向きに取り組むことが大事です。
リード獲得の質を上げる
リードを獲得できてもなかなか商談に進まないといったことがよくあります。どうすればよいでしょうか。
リードの質を高めるためには、自社の商品性を正しく認識し、どの顧客のどのようなニーズに応えるものかを明確に伝えることが必須です。
自社製品が喜ばれる医療機関をセグメントとターゲット像を設定し、その医療機関が解決したい課題を解決するためのソリューションを提示することで、獲得できるリードの質が良くなっていきます。
特に重要なのは、競合にはない自社の強みを打ち出すことです。競合の情報はなかなか入手できませんが、差別化を考えるうえで重要な情報ですので、ぜひ入手してください。
まとめ
・リードのレベルによって分類をする
・リード獲得のための手法は可能であれば全て実施してみることが大事
・医療機関はまだまだFAXを頻繁に使っている
・医師など医療従事者側からオンラインセミナーは歓迎されている
・競合にはない自社の強みを打ち出す
獲得したリードの育成方法、リードナーチャリングについては、次の記事で解説します。
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