エクセルでつくる病院テレアポリストの作成法
前編では、テレアポリストを作る際の重要ポイントや管理方法についてご紹介いたしました。
本記事である後編では、より具体的にエクセルでの病院テレアポリストのつくり方を説明しましょう。
エクセルで病院テレアポリストを作成する手順は以下の3ステップです。
1.病院データを入手する
2.記録する項目を決める
3.入力しやすいフォーマットに整える
1.病院データを入手する
エクセルで病院テレアポリストを作る第一手は材料を揃えることです。病院のデータベースがなければ始まりません。病院データベースは購入するか、自社の努力で収集するか、どちらかしかありません。
購入する場合
ポイントは①更新日が新しいか②情報の網羅性はどうか③コストの3つの点に注意すると良いです。古い情報や抜け漏れのあるデータは著しく営業効率を下げてしまいます。また、信頼性に保険を掛けすぎるとコストが上がり過ぎて使いづらいものとなります。本来、病院データは公表されているデータですので、コストパフォマンスの良いデータベースを見極めて購入することをおすすめします。
自社の努力で収集する場合
医療学会併設の展示会やセミナー登壇などで収集した名刺情報、過去に問合せや紹介を受けた方の名刺情報、既存顧客情報をもとに作成することになります。
その際は、できるだけ先入観を排除して使用することが大切です。一つの病院の中には、多くの医師や看護師、セラピスト、事務方の職員が働いています。病院の中で接触がある医師が一人いるだけで、他の担当者は接触しないというルールを設けてしまうと別の医師や職員との商談機会を自ら排除することにつながります。当然、配慮が必要ですが、工夫次第でアタックすることは可能です。さらに、厚労省や病院検索サイトなどのウェブサイトで公表されているデータを手作業で地道にコピー&ペーストすることも可能です。
この場合、抜け漏れが生じやすく、病院やクリニックの施設名称が不完全だったり、表示形式がサイトごとに異なったり(誤字脱字やスペースが無駄に入っていることも多い)して、データの精度に不安が残る心配が生じます。
日々、医療系営業責任者の方にお話を伺っていると、このような方法で病院リストデータを収集する会社はとても多いです。しかし、労力の割に得られるデータが少なく、圧倒的な営業成果を出すには不十分と言えます。しかも、ウェブサイトで得られるデータはライバルである競合他社も容易に入手できますので、限られた病院リストを使って営業すると少し効率が悪くなることが考えられます。
従って、病院データベースは常に新しい病院データを入手し。追加できることも視野に作ることが大切です。更新することを前提にデータベースの管理方法を決めておくと良いでしょう。
2.記録する項目を決める
エクセルでテレアポリストをつくる次の手順は必要項目を決めることです。アポイントを獲得するために必要な項目はなにかを徹底して考えましょう。
プロジェクトによって、売り込みたい商品の受注率を高めるためのヒアリング項目なども最初から項目に設定します。電話して担当者に着電し、必要なヒアリングを行うことで、その病院が提案すべき病院なのかが明らかになってきます。
テレアポの際に、いくつかのシンプルな質問をし、それを記録することで、単に商談アポイントを獲得するのではなく、第一商談の中身の戦略を検討する材料になっていきます。
3.入力しやすいフォーマットに整える
最後に、コール業務を効率化するための事前設定を行います。
この事前設定はコール業務の効率を大きく左右します。何件もの病院にコールしていくことが前提ですので、1件あたり1クリックの削減による改善効果は100クリック、1,000クリック削減になるという想像力が必要です。小さな工数削減と思わずに、面倒ですがコール担当者のために地道に行いましょう。
コールスタッフのエクセル入力の工数をできるだけ減らすことにあなたの工数を使うことは決して無駄なことではありません。
4.項目をゾーニングする
エクセル内、項目セルの配置を、「管理者ゾーン」と「コール者入力ゾーン」にゾーン分けすることをゾーニングと言います。管理者に必要なのは進捗の確認です。成果が想定通りに出ているのか、そうでないのかをリアルタイムに確認できるようにします。数値ゾーンはほぼすべての項目を自動集計の数式でつくることができます。
エクセル上で仕込んだものをスプレッドシートにアップロードすればそのままで数式が機能します。
一方、コール者入力ゾーンは入力の工数を極力減らすことが求められます。キーボードでテキストを入力する項目はできるだけ減らし、クリック入力できる項目にしましょう。
私たちは「フラグを立てる」と表現し、チーム内で共通言語化しているのですが、例えば、アポを検討してもらうために、資料送付希望があり一旦、終話となった場合は、「資料送付の項目にフラグを立てる」というルールにします。フラグの立て方は、該当セルに「1」と記入するのですが、その際キーボード入力ではなく、クリック入力にしたいため、該当項目のすべてのセルに予めプルダウンで「1」を選べるように仕込みます。スプレッドシートの場合「1(全角)」は文字列、「1(半角)」は数字として認識されます。そのため、集計が必要な項目には「1(半角)」のフラグを立てると漏れなく集計することができます。
もう一点、必要な考え方をお伝えしておくと、営業責任者が欲しい情報とコール担当者がコールそのものに必要な情報は異なるということです。営業責任者として必要な数値データは当然盛り込みますが、コール業務をスムーズに行うための項目も必要です。どのような項目が必要になるかはプロジェクトの目的によって異なりますし、様々な項目が考えられますが、業務効率を考えると、キーマンの所属部署名や氏名、繋がりやすい時間帯などは必須項目となります。
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営業責任者がアポ率を上げるためにやるべきこと
営業責任者の仕事は受注を獲得する強いチームを構築することです。
営業という仕事は行動量に比例して結果が出る仕事です。つまり、やった分だけ成果が出るということです。しかし、だからと言っていたずらに母数を増やせば成果も増えるというわけではありません。正しい戦略に基づき、仮説検証を繰り返すことで、最初から絞り込んだ病院営業リストで大きな成果を産むことを目指しましょう。
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1.営業責任者の役割
営業責任者の役割は、チームの全員に仮説検証をしてもらうことです。あなたが決定した戦略や営業シナリオ・営業ストーリーを何度もトライしてもらい、それによって得た結果を検証し、微修正したシナリオを再度実行してもう。この仮説検証の繰り返しを一般にはPDCAと呼びます。愚直にこれに取り組む営業チームが強いチームと言えるでしょう。
2.集計の仕組みを作る
そのために必要なことは、定点観測したい項目を決めて、リアルタイムに自動集計することです。ライバル企業よりも早く仮説検証を回すことで受注獲得を増やしていくことができます。しかし、その仮説検証の過程で単なる集計や分析に手間取っていると、PDCAサイクルを高速で回転させることが不可能です。だからこそ、病院テレアポリストのつくり方が売上に大きな影響を与えると言えます。
3.集計データを分析する
集計データを見てあなたなりに分析することで、アポが獲得できるターゲット先の傾向をつかめます。
また、NG理由を見ていくと、トークスクリプトをどのように改善すれば良いか見えてくるものです。さらに、一度、NGになった病院でも、より相性の良さそうなコール担当者に再度アプローチしてもらうことで突破口を開くこともあります。データは活用することを前提に項目を設定しましょう。ただし、あれもこれもと欲張ると、入力項目が多くなりすぎてかえって効率が落ちてしまいます。絶対に必要な項目に絞ることが一番重要です。念の為、とっておきたいという項目は思い切って省きましょう。これはコール担当者の疲弊を防ぎ、チームの温度を高めることに繋がります。
4.資料送付や質問への回答を着実にこなす
細やかな対応は顧客候補の病院から好感を得ることに繋がります。
ゼロからのテレアポでも、信頼関係を構築することは医療業界においてとても重要です。コール担当者が即座に回答ができなかった内容については、わかる人に確認後、必ず再度電話で回答をしましょう。、資料送付後に再度コールして追客していくことも必須です。資料送付のパターンは郵送、FAX、メールがあります。資料送付リストを別シートで管理して、漏れなく送付できるようにしましょう。
郵送作業を効率化するには、宛名ラベルを自動生成できるようにスプレッドシートを設定することもできるはずです。
まとめ
前編に続き、エクセルでつくる病院テレアポリストの作成法と活用のポイントをお伝えしました。
私たちは創業以来、医療業界に特化したテレアポ代行サービスを提供する中で、このスプレッドシートの最適化を追求してきました。最後に重要な5つのポイントを確認しましょう。
<5つの重要ポイント>
・病院データベースは新鮮で抜け漏れの無いリストを使う
・セグメントとターゲットを意識してリストアップする
・テレアポ管理はスプレッドシートを使う
・入力も集計も効率よくできるように項目をつくる
・チーム全体が同じルールで行うことが大切(浸透させるのは根気強く)
これらのノウハウを使った病院テレアポリストのテンプレートは、営業コンサルティングサービスの一部として、お客様との営業プロジェクト毎に無償で作り込んで提供しています。
もし、あなたの営業チームが医療業界でさらなるシェア拡大を目指しているのであれば、お気軽にご相談いただければと思います。
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