訪問営業の効率を爆上げする‶病院アンケート調査″

病院は全国に存在し、建設には広大な面積が必要のため、必ずしも駅の近くに建てられません。そのため、企業にとっては病院へ訪問する営業担当者の営業効率が悪く、すぐにアッパーを迎えてしまいます。

近年、この課題を解決する手法として「病院アンケート調査」や「ニーズ調査」等の市場調査を実施する企業が増えています。自社製品のターゲットとなりうる病院かどうかを、訪問する前に市場調査の結果からスクリーニングすることで営業効率化を図る動きです。

そこで本記事では、訪問営業の効率を爆上げする‶病院アンケート調査″の活用法について解説します。

なぜ、営業効率の向上のために対象病院を絞り込むべきなのか

営業効率を向上させるためには、対象病院をあらかじめ絞り込むことが重要です。
なぜなら、すべての病院があなたの製品を採用するわけではないからです。

例えば、5年で更新を迎える医療機器やシステムを販売する場合、同じような製品を導入したばかりの病院は、よほどのことがない限り話を聞いてくれません。少なくとも、今すぐ購入したいとは言わないでしょう。

しかし、病院への調査を実施すると「もう少しで更新を迎える病院」が浮かび上がってきます。そうした、市場調査やニーズ調査から購入の可能性が高い病院のみに絞ってアポイントを取り、訪問するのが一番効率良い営業方法になるのです。

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病院アンケート調査の目的と背景

前述したように、病院アンケート調査の目的は「独自の買ってくれそうな病院リスト」を作ることです。
若年層の労働人口が右肩下がりに急減している日本社会において、メーカーやディーラーの営業担当者の人数を現在より増やしていくことは難しいでしょう。人海戦術的な手法は取れません。少ない人数で効率よく最大の営業成果を出すためには、購入可能性の高い病院リストが必要になるのです。

アンケート調査の方法

具体的なアンケート手法はいくつか考えられますが代表的なものとしては、「電話調査」と「FAX調査」です。電話調査をメインに行い、その補完としてFAX調査を加えることがあります。または、FAX調査をメインに行い、FAXでは聞き取れないような「深い質問」を電話でインタビューする方法もあります。

病院アンケート調査の進め方

病院アンケート調査は以下の手順で進めていくとよいでしょう。それぞれの手順について、簡単に説明しますので参考にしてください。

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①目的の設定

目的は「自社製品を購入する理由があるか」に絞りましょう。どのようなプロジェクトも目的をぶらさないことが大切です。

②自社製品・サービスの訴求点を整理

自社製品の強みを明確にしておかないと、調査がうまく機能しません。製品・サービスというのは何らかの課題に対して解決策であるはずです。
自社製品をどのように活用することによって、病院の現場で役立つものなのか、どのような点が評価されているのかを棚卸しして明確にしましょう。

③調査項目の設定

どのような質問をするかが重要です。調査項目は目的に沿ったものだけにして、あれも、これもと質問範囲を拡大しないことがポイントです。
この質問項目は、何のために聞くのかということを明確にしましょう。明確にならないものは省くほうがうまくいきます。

④調査票の作成

前項で決めた調査項目をフォーマットに落とし込んで調査票を完成させます。
電話インタビューを中心にアンケートを実施する場合でも、医療従事者から「紙なら回答します」と言われるケースがあります。

⑤調査集計フォームの作成

最近ではGoogleフォームなど便利な集計フォームが無料で使用できますので、社内での集計業務に活用するとよいでしょう。
これなら、複数のメンバーでも同時に集計作業が可能です。場合によっては、メールで調査票を送る際、Googleフォームへの誘導もできるでしょう。

⑥調査用トークスクリプトの作成

調査に協力してもらえるよう、依頼のストーリーはとても大切です。このトークスクリプトがうまく作れないとせっかく準備した調査票が回収できず、目的を達成できません。

⑦業務フローの作成

調査の電話や調査票の送付、回収した調査票を集計フォームに転記するなどの、一連の業務フローを作成します。
プロジェクトチーム内で統一の理解を促すためにも必要ですし、社内で知っておいてほしい部署のメンバーにも回覧しておくとスムーズです。

⑧実施体制の構築

ここまで計画が進めば、あとは適切な人員を任命して、実施内容を細かくレクチャーして実行体制を整えましょう。

⑨マイルストーン設定

アンケート実施期間は1~3か月間とあらかじめ決めておきます。また、プロジェクトチームが集まって進捗状況を確認することも重要です。そのためのマイルストーンを設定しておきましょう。

⑩アンケート実施

また、初期段階で、予期しない反応が出ていないかを確認し、必要に応じて一旦ストップして修正後、再度スタートしたほうが良い場合もあります。
トークスクリプトの精度が悪いとクレームが発生することもありますので注意が必要です。

⑪集計・分析

あとは迅速に集計し、さまざまな角度から分析していきます。病院の基本情報からわかる、病院種別、病床数や診療科目、加算届出の状況や症例数やスタッフ数、設立年数の違いなど、さまざまな軸でクロス分析することも可能です。
ただ、今回の市場調査の目的は「ニーズのある病院リスト」作成ですので、分析にあまり工数をさく必要はないでしょう。

⑫ターゲット病院リストの完成

市場調査結果から病院を分類していくと、最終的にターゲット病院リストが出来上がります。
病院アンケート設計の注意点として、前述した手順の④調査票の作成と⑥調査用トークスクリプトの作成を入念に準備しましょう。

忙しい医師や看護師、技師、事務長などの医療従事者にアンケートを回答してもらうには、
彼らにアンケートに答える義務はありませんので、快く回答してもらえるようなお願いをしなければなりません。調査に協力してくれたからといって、ギフト券などの謝礼は渡す必要はありません。そうしたインセンティブがなくても、回答が得られるようにトークスクリプトに工夫が必要なのです。

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まとめ

以上のように解説した手順で準備し、実施することによって、あなたの製品を購入する可能性の高い病院リストを作ることができます。そして、その対象病院を優先的に訪問アプローチすることによって、全国に点在する病院への訪問営業を劇的に効率化することができるでしょう。あなたの会社でも、ぜひ病院アンケートを進めてみてはいかがでしょうか。

弊社では、このような病院アンケート調査、病院市場調査、ニーズ調査などを電話とFAXを組み合わせ、市場調査代行を行っています。調査票の設計から単純集計までの業務を一貫して代行することができますので、お気軽にご相談ください。

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