1.病院へのDM(ダイレクトメール)を成功させよう
私たちは、病院に対する営業活動を効率的に行うための営業コンサルティングやテレアポの代行をしている会社です。
多くの企業が日本全国に存在する病院やクリニックへのDM(ダイレクトメール)を考えているため、効率良くマーケティングができるように様々なアドバイスをしています。
DMは一斉に認知度を高めたり、見込み客を見つけたりするのに有効なマーケティング手法の一つです。また、他の手法と比べて、労力が掛からない手法と言えます。そのため、あなたもDMを上司から指示されたり、アドバイスされたり、あるいは、あなた自身が企画していることもあるでしょう。
一方で、DMという手法はその性質が「広告」ととても似ています。
それは、失敗するとコストだけが掛かり、結果的に得るものが少なかった、といった状況に陥りがちである点です。
そこで、本記事では、あなたが病院へのDMを実施する際に、成果を出すためのポイントを解説します。
ぜひ最後まで読んで実践してみてください。
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2.病院DMで反応率を高めるために必要な考え方
あなたがDMを成功させるためには、反応率を高めることが大切です。
反応率を高めるために必要な考え方の前提として、以下の2つを押さえておきましょう。
(1)プル型マーケティングの特徴を理解する
マーケティング手法の中でDMはプル型マーケティングです。
プル型というのは、プッシュ型の反対と考えるとわかりやすいと思います。DMはこちらから一斉配布する手法ですのでプル型です。
プル型の場合、相手の反応が見えづらいという性質があります。一方、プッシュ型の場合、例えば、電話マーケティングですと、興味がない人からも様々な反応や情報をもらうことができますので、改善がしやすい面があります。
プル型マーケティングであるDMで、反応率を高めるためには、複数回にわたって郵送物の見直しを実施していく必要があります。また、1回目の反応率が良くても、同じ内容で2回目、3回目と繰り返し実施していくと、反応率は下がっていきます。それには理由がありますが、別記事にてご紹介いたします。
(2)訴求ポイントを変えていく
DM施策では、反応が見えにくいので、発信側であるあなたに相当な想像力が必要になります。
反応が取れる訴求ポイントを見つけ出すためには、DMを発送する前段階で、実際のお客様に訪問したり、電話でのテストセールスを実施すると非常に効率が良いです。
DMを実施する前に、顧客に直接訪問したり、あるいは、電話による聞き取り調査をすること、顧客の反応をダイレクトに確認でき、
訴求ポイントだけでなく、逆に、響かないワードを確実に確かめることができるためとてもお勧めです。
この「訴求ポイント探し」を郵送DMで行っていると、非常に効率が悪く、結果的に時間とコストが過大になってしまいます。
このように、本格的にDMを実施する前の段階で、テレマーケティングやプッシュ型のセールス活動によって、訴求ポイントを見出しておくのが成功の鉄則です。
3.病院へのDM企画の全体像をつかんで、プランを準備しよう
次に、DM計画の全体像を把握しておきましょう。
何事も、全体像を掴んでから個別の準備に当たったほうが効率良く仕事を進めることができるものです。
以下に、計画づくりの工程を解説しますので、順を追って準備にあたってみてください。DM計画に必要な準備項目は以下です。
チェックシートは<こちらから>ダウンロードしてお使い頂けます。
(1)企画の意図を明確にする
まず最初にやることは、意図を明確にすることです。
意図というのは、誰が何の目的でどのような成果を得ようとしているのかということです。
そして、その意図が周囲の人にもわかるようにすることで、協力者を巻き込んでいけるのです。以下の項目について検討していきましょう。
①得たい成果を決める
今回のDMによって、あなたの会社が得たい成果を設定しましょう。
成果というのは意図によって様々あります。例えば、セミナー集客人数を成果とする、あるいは、商品の問い合わせやデモ依頼の件数を成果とする場合もあります。
何を得るために行うのかをまず明確にすることが大事です。ただし、あれもこれもと複数の成果を追うのは失敗の元ですので注意しましょう。
②費用対効果の考え方
成果目標を設定したら、次は予算感が合っているか確認しましょう。
その成果を得るために使う費用がどれくらいかを概算で算出し、成果数で割ると、成果1件当たりのコスト(CPA)が明確になります。その成果を得た後、何件の受注があればそのコストが見合うのかについても、検討する必要があります。
③訴求ポイントを探る
次に、DM資料に載せる訴求ポイントを探り、決定します。
これは、前述したように、顧客に直接訪問するか、テレマーケティングなどで顧客と会話することで見つけることができます。
訴求ポイントが外れたDMは何通送っても反応が得られないため、この段取りがとても大事です。
(2)計画を設計する
意図が明確になったところで、具体的な設計に入っていきます。
以下の項目について、具体的な計画を立てていくと良いでしょう。
①DM施策の全体設計図
あなたが今回行うDM施策の全体像を図式化すると上司や同僚がわかりやすいプロジェクトになります。
DM施策は一人ではできません。周囲の人の協力があって成り立つものですので、味方を作る意味でも、分かりやすい全体像を示す資料が必要です。
②アクションプラン
アクションプランとはタスクを細分化し、そのタスクのスケジュールを明確にしたタスク計画書のことです。
誰が、何を、いつまでに完了させるのかを明確にすることで、全体の歯車が回り始めます。
③資料づくり
郵送DMでは、どんな資料を同封するのかが重要です。
あれもこれもと、沢山の資料を入れてしまうと意図が伝わりにくいものになります。
大事なのは訴求ポイントが明確な資料を作ることです。ターゲットに伝わる訴求のキーワードを盛り込んで、できるだけわかりやすい資料にします。締め切り間際に作るのでは、内容を吟味することができませんので、できるだけ早い段階で作成すると良いでしょう。
④リスト購入
実際にDM発送するには、病院や診療所などの住所リストが必要です。
自社のスタッフで郵送する場合は、絶対に病院リストが必要になります。発送代行会社に発送を頼む場合は、業者さんによっては病院リストをレンタルしてくれる会社もあります。ただし、その病院リストが、いつ更新されたものなのか、古いリストではないかを必ず確認します。
もし、少しでも古いリストを使うと、不着率が高くなってしまいます。発送料金はその分、無駄になりますので、できるだけ新鮮で信頼性のある厚生局データを探すことをお勧めします。
⑤セグメンテーション
リストを購入したらそのまま全部に発送してはいけません。
あなたの商品やサービス、セミナー案内がターゲットとしている人はどのような人でしょうか。また、その人が所属している病院や診療所にはどのような傾向性があるでしょうか。ターゲットが多く存在すると思われる診療科目や病院の規模、病棟機能などの種別を、できるだけ細かくみていきましょう。このセグメンテーションは費用対効果を上げる重要なポイントです。
⑥自社で発送するか、業者に依頼するかを決め
自社発送した場合と、代行会社で発送した場合とでは、発送コストが異なる場合があります。
自社発送だと切手代やメール便代のみなので安く済むと考えがちですが、発送代行に依頼したほうがトータルコストだけでなく、手間から派生する業務のストレスを考えると割安、ということもあります。発送料金の相場は年々高くなっている傾向にありますのでよく吟味して決めましょう。
⑦資料の印刷
郵送する資料をどこで何枚印刷するかについても、事前に見積もりしておきましょう。
社内のプリンターで印刷するのと、プリントパックなどの印刷通販を利用する場合を比較してコストが安いのは、どちらでしょうか。
印刷量によってもコストが異なってきます。手元で印刷する計画であれば、反応率を見て、内容を頻繁に改変して発送することもできます。全体の計画によって、小回りを利かせるのか、一気に必要枚数を印刷するのかを検討しましょう。
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(3)社内体制の整備
さて、DM企画を成功させるには、社内体制を整えることも重要です。
DMを発送した後には、当然ながら、何か知らの反応が顧客からあります。それは、良いものばかりではなく、クレームも想定しておく必要があります。以下の項目についても、発送前までに明確にしておきましょう。
①企画詳細を関係部署に情報共有
あなたがこれから実施する企画の詳細を関係する人全員に情報共有します。
DMを発送すると、その資料は一人歩きします。周りまわって、どこからどのように反応があるかわかりません。そのため、関係しそうな人には、念のため事前に伝えて無用なトラブルを避けるように手を打っておきましょう。
②問合せ窓口・商談セッティング業務フロー
問い合わせ窓口は、誰が担当するのかを明確にします。
そして、社内の誰が問い合わせを受けても、あなたのプロジェクトの窓口につながるようにしておきましょう。問合せに対応できずに放っておくとせっかくのお客様を取り逃すばかりでなく、大きなトラブルに発展する場合がありますので、社内で明確にしておくことが大事です。
問い合わせを放置する企業は、案外と多いです。そのようなことにならないために、以下のようなルールを設定すると良いでしょう。
<問い合わせ対応のルール>
・午前の問い合わせは、遅くともその日の午後に対応
・13時~17時までの問い合わせは即日対応
・17時以降の問い合わせは翌日の朝一に対応
1名の体制では、対応が疎かになってしまいますので、必ず2名以上の体制を作るのがポイントです。
③受付電話・FAX・WEBフォーム設定
上記に関連して、受付電話番号、FAX番号、WEBフォームを決めます。
最近は、問合せ手段の多様化が定着しつつあります。昔は、電話番号だけ用意すればよかったのですが、最近では、FAX番号、メールアドレス、WEBフォームに加え、WEBミーティングやチャットなど、さまざまなコミュニケーションツールを顧客は求めています。
問合せへのハードルをできるだけ低くすることがポイントです。
④クレーム対応シナリオ
そして、万が一のクレームにどのように対応するか、シナリオを用意しておく必要もあります。
特にクリニックの場合は、院長によって、様々な考えがあります。どのような内容でもクレームには適切に、迅速に対応しなければなりませんので、できる範囲であらかじめ想定してトークスクリプトを準備しましょう。
例えば、「このリストをどこから入手したのか」または「もう送ってくるな」とお𠮟りを受けることもあります。
⑤案内中止先の管理
DMを送ると、「もうDMを送ってこないでほしい」といった要望もあります。
そうした連絡があった際は、DMで使用するマスタリストに「中止」がわかるように記録していきます。これも、あらかじめ想定することで、作業が楽になりますので、誰がどこに記入するのかを明確にしましょう。
まとめ
病院へのDM計画の全体像をつかんで、プランを考えよう
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
本記事では、あなたが病院へのDMを実施する際、成果を出すための企画全体像と準備のポイントを解説してきました。この記事を参考にして、ぜひ、あなたの会社でも実践してみてください。
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