【上級編】医療・介護従事者に「共感」が広がる商談シナリオづくりのポイント

商談がうまくいかないと感じる根本的な理由とは

あたなが、「なんだか最近、商談がうまくいかないな」と感じていたら、それは、相手から「共感」を得られていないかもしれません。

毎日のチームミーティング、毎週の営業会議、毎月の全体会議。既存取引先への定期訪問。ルーティンワークのように同じような仕事を繰り返していると、いつしか、その目的を見失ってしまい、カタチだけの作業に陥っている自分に気づいて、ハッとするといったことはありませんか。

もしかしたら、そのモヤモヤの原因は「共感」を生み出していないことにあるかもしれません。そこで、本記事では、医師や看護師などの医療従事者や施設長や介護主任者などの介護従事者に「共感」が広がる営業シナリオを生み出すポイントについて解説したいと思います。

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商談の在り方をセルフチェックで課題を発見しよう

「名プレイヤー、名監督にあらず」と言われるように、自分の商談を客観的に分析するのは難しいと思いますので、以下のセルフチェックをしてみましょう。共感を生み出す商談を進めるには、必要不可欠な項目ですので、すべての項目をクリアするように、商談内容を見直してみてください。

<商談の在り方セルフチェック項目>
 あなたができていると思う項目にチェックをしてください。
□製品の理念や開発経緯を伝えている
□患者・利用者のためになる提案を盛り込んでいる
□医療従事者のためになる提案を盛り込んでいる
□商品説明は全体の半分以下のボリュームにしている
□相手が置かれている立場や環境をヒアリングしている
□相手の課題をヒアリングしている

商談がうまく人は相手の立場を理解している

商談をうまく進めている営業担当者に共通して言えることは、相手が置かれている立場や状況、ビジョン、大切にしていることを把握できているということです。相手が目指している方向性を理解して、一緒にその達成のために考えていくスタンスを持っています。

一方、うまくいかない人に共通して言えることは、自社の製品の説明のみになっているということです。相手の置かれている状況や目指していることなどを把握せずに、一方的に「買いませんか」と商談を進めていくスタンスです。

私たちは多くの会社の営業担当者を見てきました。余程、新規性と必要性と独自性がある製品でない限り、後者の商談方法ではうまくいきません。成績上位者の傾向を分析すると、相手の立場や状況を理解して商談する人が、圧倒的に成果を出していることがわかります。

医療・介護従事者が置かれている環境とは

相手の立場を理解するためには、まず、医療提供の業界構造を理解しておく必要があります。保険適用の医療機関に勤務する医療従事者は、国策に沿って物事を考えていますので、営業担当者もそのことを自分ごととして受け止める必要があるからです。

今、わが国は、かつてない国民医療費増大という課題に向き合っています。高齢者人口が増えるにつれて、医療サービスを受ける患者が増え続けていきます。サービスを受ける人が増えるのですから、医療費を削減するためには、医療サービスの単価を下げなければいけません。

単価を下げられる治療と下げられない治療があり、医療サービス提供側と厚労省でその調整がなされているというのが、今まさに起きていることです。よく、「中医協」の議事内容がニュースになっているのはその動向が、病院経営者にとって重要だからです。

医療・介護従事者が目指していることは「医療サービスの質を担保すること」

病院経営者の目線は、余計な経費をかけずに医療サービスを提供し、年々下がっていく医療単価にうまく対応しながら収益を確保すること。かつ、持続可能な医療の体制づくりを重視しています。

一方、患者にとって最重要なのは、「医療サービスの質が担保されていること」です。保険診療を利用する患者は、同じ料金ならできるだけ腕の良い医者にかかりたいと希望しています。それが、自宅に近ければ近いほど、うれしいわけです。

従って、病院や診療所の経営者や医療従事者は「医療サービスの質を下げずに、提供単価を下げる」ということに取り組んでいるということです。

病院の経費の多くを人件費が占めていますので、病院に雇われている医療従事者が気軽に経費を使うことはできません。このような事情がある中で、単純に新しい製品を買うことを提案されてはマッチするはずがありません。

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「経費削減」・「収益増大」・「生産性向上」につながる提案は喜ばれる

しかし、あなたの提案が、病院の「経費削減」や「収益増大」、「生産性向上」に役立つ提案であり、投資した以上の見返りが望めるストーリーを描けるならば、話は進みます。

あくまで相手の立場を理解して商談することが極めて重要です。相手の思考の方向性に沿った提案をする人は、医療従事者から信頼されますし、そうでないと、相手にされないということになります。

病院や診療所の経営スタイルや方針によって、現場の課題は千差万別ですが、根本的には前述した経営環境は共通していますので、個別の商談の際には、それを念頭に置きつつ、個別課題を発見し、その解決のためになる提案をしていくとよいでしょう。

共感が広がる営業シナリオの根底には「患者への奉仕」の心がある

医療機関が置かれている環境は共通しているということを述べました。さらに重要なことは、医療従事者に共通する価値観を理解することです。それは、「患者への奉仕」という観点です。

医療従事者の多くは、社会に出る前から医療従事者になることを目指してきた人たちです。
何となく医者になったという人は少ないでしょう。医療によって「患者を救いたい」と自ら願って、その職業を選んでいます。

従って、共感をもたらす営業活動にするために一番重要なのは「患者への奉仕」という観点です。患者を救うという共通した目的を持つ営業担当者とは、話が合うということです。
あなたの製品を通じて、患者のためになる提案、そして、病院のためになる提案をすることが共感を生み出すもとになります。

「共感」を生み出す、プロ営業担当者を目指そう

本記事では、医師や看護師などの医療従事者や施設長や介護主任者などの介護従事者に「共感」が広がる営業シナリオづくりのポイントについて解説しました。

最近、商談がうまく進まないなと感じたら、ぜひ、セルフチェックであなたの営業課題を発見してみてください。そして、相手の置かれている立場を理解し、患者への奉仕という方向性に沿った、役立つ提案になるように、営業シナリオを書き換えてみましょう。

もし、具体的にどのような営業シナリオにすれば良いのか思いつかない。また、共感を広げられる営業シナリオを会社全体で作りたい。また、社内の営業スタイルとして標準化したいといった要望がございましたら、ぜひ一度、弊社の営業コンサルタントにご相談ください。貴社に合った改善について提案させて頂きます。

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