【2025年最新】厚労省オープンデータ活用術:医療機関リストを精緻にセグメント化し、成果を最大化するポイント

厚労省オープンデータ活用術

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医療機器メーカーや製薬会社の営業・マーケティング担当者にとって、正確で最新の医療機関データは事業成功は欠かせません。

厚生労働省が公開する医療機関情報を効率的に活用し、営業リスト作成から市場分析まで幅広く応用する方法を詳しく解説します。

現状の課題:なぜ公開データは「扱いにくい」のか?

公開されている一覧データは、Excelで開けるものの、実際には以下のような課題からそのままでは営業リストや市場分析に活用することが困難です。

  • ファイルサイズが膨大: 数十万行に及ぶレコードは、一般的なPCでは開くだけでメモリ不足を引き起こすことがあります。
  • 「神エクセル」のような複雑なフォーマット: 「項目」と「値」が1つのセルに混在していたり、意味の異なるデータが同居していたりと、データが整理されていません。これにより、1医療機関1行のデータとして加工するだけでも膨大な作業が必要です。
  • 命名規則やリンクの頻繁な変更: 各地方厚生局が年1〜数回、ダウンロードリンクやファイル名のルールを変更します。これにより、自動取得システムを運用している場合は継続的な改修作業が伴います。
  • データ構造の不一致: 「医療機関リスト」「施設基準」「病床機能」といった異なるデータ間で項目名やキー項目が一致しないため、そのままでは統合できず、膨大な手作業での名寄せが必要になります。

当社では、2018年から毎月データを保管・加工し、医療機関リストを即座に活用可能なExcel形式で提供してきた豊富なノウハウがあります。

本記事では、この複雑なデータを初めて扱う方でもスムーズに進められるよう、作業前に押さえておきたい重要なポイントを解説します。

2. 医療機関データを紐づけ、活用するための5つのポイント

厚生労働省の公開データを精緻な医療機関リストとして活用するには、以下のポイントを押さえることが不可欠です。

1. 各データ構造を徹底的に理解する

事前にカラム一覧や更新頻度、各データの特性や注意点を詳細に把握し、明確なデータスキーマを設計しましょう。これにより、後工程での混乱や手戻りを防ぎます。

2. 信頼性の高い共通キーを見つける

複数のデータを正確に結合するためには、**「医療機関コード」**が最も信頼性の高い共通キーとなります。もしコードがない場合は、「市区町村+名称」や「電話番号」なども補助的に活用し、結合精度を高めます。

3. 高度なデータ品質管理を徹底する

データの鮮度と正確性を保つことは、営業・マーケティング活動の成否を分ける重要ポイントです。

  • 医療機関番号の月次更新: 医療機関番号は毎月数百件の変更があるため、定期的な更新が必須です。
  • 住所表記の統一: 「大阪市東成区」が「大阪市城東区」に変更されるといった行政区画の変更や、表記ゆれの統一など、住所データのクレンジングも重要です。

4. 大容量データ処理に対応できるPC環境を準備する

膨大なデータをスムーズに処理するためには、高性能なPC環境が不可欠です。

筆者の経験上、一般的な事務用PCでは処理が困難な場合が多く、メモリ16GB以上、SSD搭載、64bit OSのPC(高性能ゲーミングPCのようなスペックが望ましい)を推奨します。複数データの一括処理を安定して実行できる環境を整備しましょう。

5. 継続的な更新体制を構築する

厚生労働省のデータは定期的に更新されるため、常に最新の状態を保つための体制が必要です。

  • 更新頻度: 医療機関リストや施設基準情報は月1回、病床機能情報は年1回更新されます。
  • 変更への迅速な対応: 各地方厚生局で年数回発生するダウンロードリンクやファイル形式の変更に迅速に対応できる体制整備が極めて重要です。
    • 社内に専任のエンジニアやデータ担当者を配置し、自動取得・加工パイプラインを構築できれば理想的です。
    • フォーマット変更アラート機能を実装し、改修コストを最小化できるとさらに良いでしょう。

3. 厚労省公開データ主要3種類の概要と活用法

以下は、厚生労働省および各地方厚生局が公開する主な医療機関情報です。すべて 無料でダウンロード可能 なオープンデータですが、加工には専門知識と手間が必要です。

3.1 保険医療機関・保険薬局指定一覧(医療機関リスト)

全国の医療機関情報を網羅した基本データで、営業リスト作成の基盤となります。

  • 掲載項目例
    • 医療機関コード/名称/所在地/電話番号
    • 常勤・非常勤医師数、薬剤師数
    • 病床数(一般・療養・精神など)
    • 開設者・管理者氏名、指定年月日
  • 営業活用例:
    • 医師数に基づいた医療機器導入可能性の評価
    • 診療科別のターゲティング
    • 新規開設医療機関への早期アプローチ
  • 参照URL一覧

北海道厚生局

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/hokkaido/gyomu/gyomu/hoken_kikan/todokede_juri_ichiran.html

東北厚生局(青森県・岩手県・宮崎県・秋田県・山形県・福島県)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/gyomu/gyomu/hoken_kikan/documents/201805koushin.html

関東信越厚生局(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・新潟県・山梨県・長野県)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/chousa/kijyun.html

東海北陸厚生局(富山県・石川県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/newpage_00349.html

近畿厚生局(福井県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/gyomu/gyomu/hoken_kikan/shitei_jokyo_00004.html

中国四国厚生局(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/chugokushikoku/chousaka/shisetsukijunjuri.html

四国厚生局(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/shikoku/gyomu/gyomu/hoken_kikan/shitei/index.html

九州厚生局(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/gyomu/gyomu/hoken_kikan/index_00007.html

  • 更新頻度:月1回

より詳細な作成方法については、以下の記事もご参照ください。

3.2 施設基準届出情報

3.3 病床機能情報

  • 内容:病院・有床診療所の詳細な設備・人員・患者情報

特に価値の高い情報

  • 機能別病床数:高度急性期・急性期・回復期・慢性期
  • MRI・CT台数: 画像診断機器関連営業に直結
  • 前年度入院患者数: 市場規模の把握
  • 職員数・病棟構成: 医療機関の規模・機能評価
  • 更新頻度:年1回
  • 主なキー:医療機関コード、市区町村+医療機関名称
  • 参照URL:厚生労働省 病床機能報告 令和5年度病床機能報告公表データ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/open_data_00016.html

まとめ:医療機関データベース活用の成功要因

厚生労働省公開の医療機関データベースを効果的に活用するためには、以下の3つの要素が重要です:

  1. 技術的基盤の整備: 大容量データ処理が可能なシステム環境
  2. 継続的更新体制: 月次・年次の定期更新とシステム変更への対応
  3. 戦略的活用: 営業・マーケティング戦略との連動

これらの要素を適切に整備することで、医療機器メーカー・製薬会社における営業効率の大幅な向上と、精度の高い市場分析が実現できます。

2025年現在、医療業界のデジタル化が加速する中、正確で最新の医療機関データの戦略的活用は、競争優位性確保のための必須要件となっています。自社での内製化か、専門業者との連携かを含め、最適なデータ活用体制の構築を検討されることをお勧めします。

当社の実績とご相談先

弊社では 2018年から毎月医療機関リストの保管・加工を継続

  • 蓄積データ数:80万件以上
  • 主な導入企業:国内大手医療機器メーカー、製薬会社 20社以上

「最新の医療機関のExcelファイルを最短即日でほしい」「過去データを使った時系列比較を自社で行いたい」といったご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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